笑わない笑いの研究会

勉強会や用事が重なるとどちらを優先するか迷います。そんなこんなで欠席したりすると、どんな話だったんだろうとか気になったりします。どちらにしても執着しないことが必要ですね。勘違いされるのですが、笑いの研究会で毎回笑える話を聞いているわけではありません。真面目な研究学会なので、硬派な内容も多いです。2014年の後半から2015年前半は、そんな発表が続いたように思います。ちなみに2014年の後半はこんな内容でした。

2014年7月19日の第213回研究会は、フォトグラファー北川孝次氏による『笑顔に魅せられて ~世界中の人々の笑顔を訪ねて~』
2014年8月16日の第214回研究会は、日本ことわざ文化学会理事で浄土真宗僧侶の小森英明氏による『十牛図で辿る禅の”笑い” ~絶対の‘笑い’の謎を探る~』
2014年10月18日第216回研究会は、東京情報大学メディア・社会研究室茨木正治教授による『マス・メディアの中の笑い ~新聞・雑誌の風刺漫画にみる笑いを中心に~』
2014年11月15日の第217回研究会は、企業のコンサルをされている伊藤喜代次氏による『笑顔とサービス・コミュニケ―ジョン ~顧客を虜にするサービス・スキル~』
2014年12月20日のの第218回20周年記念研究会の記念講演は落語家で大正大学客員教授の金原亭世之介氏による『笑いとコミュニケーション』

笑えなくても、笑顔を撮影するときのポイントは逆光・ストロボ・絞り1.5下にすると瞳が大きくなるとか、キャッチボールは言葉ではなく笑顔でとか、人は上を向いて見ているものが好きで自然に嬉しくなるから寄席の高座もかなり高いとか、悩みの相談はなく迷いの相談はあるとか、そんな役立つヒントは毎回必ずあります。

ということで掲載するネタがないので、今回は自分の好きなネタを笑いのTipsとして掲載しておきます。

あるメキシコの海外沿いの小さな村に、アメリカのコンサルタントが休暇で訪れていた。
港を歩いていると一人の漁師と出会った。漁師は、昼前であるにも関わらず、小さな舟から下り、釣りを終えて自宅に戻るところであった。
コンサルタントは職業柄、怪訝に思って声をかけた。
「なぜこんなに早く帰るのか?」
漁師も怪訝な顔をして答えた。
「今日はすでに釣れちゃったから、もう帰るよ」
「帰って何をするのか?」
「妻とのんびり過ごすよ。一緒にシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しみ、早めに床に就くよ」

それを聞いてコンサルタントは不思議そうな顔をして質問した。
「なぜもう少し頑張って釣りをしないのか?」
メキシコ漁師は聞き返す。
「どうして?」
「もっと長く釣りをすれば、あなたならもっと沢山の魚が釣れる。それらを売ればもっと多くのお金が手に入るから、もっと大きな船が買えるだろう。そうしたら人を雇ってもっと大きな収穫を手にできる。そうなれば、メキシコの小さな中間業者に安い値段で売る必要はなく、都市の調理場に直接納入して、もっと大きな利益を手にできるようになる。そうなれば、この小さな村からは出て行って、メキシコシティに行きなさい。その後は、必然的にロサンゼルス、そしてニューヨークに出て行って、そこで大きくなっていく企業組織を運営すればいい」

漁師は聞き返す。
「でも、それって何年かかるの?」
コンサルタントは我が意を得たりと、軽い笑みを浮かべて答えた。
「15年から20年かな」
漁師はさらに聞き返した。
「そのあとはどうなるんだい?」
コンサルタントは無知な子供を相手にしたように笑って言った。
「そこからが最高の部分だ。企業をIPOさせて公開企業にして、巨万の富を手に入れられるんだ」
漁師はまた聞き返した。
「巨万の富。それで、そのあとはどうなるの?」
「そしたらリタイヤさ。小さな海辺の町に引っ越し、妻とのんびりシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しみ、そして早めに床につくような生活を送れるのさ」
漁師は馬鹿にしたように答えた。
「今の生活じゃないか」